まず、層状構造をとる今回発見された新規炭化物および類似炭化物を固相反応にて合成した後、それらの焼結体を作製し、真空中での熱電特性を調べました。
図2は出力因子の温度変化です。出力因子は熱起電力(1度の温度差に対する起電力)と電気伝導率から導かれ、値が大きいほど出力が大きく熱電特性が良いということになります。実用レベルには及ばなかったものの、結晶構造と出力因子の間に、ある相関関係がみられました。そこでこの関係をもとに材料設計をし、試行錯誤を重ねた結果、前記炭化物の出力因子を大幅に上回る新たな層状炭化物(図2中の△)の合成に成功しました。 |