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最新トピックス研究

 X線粉末回折パターンからの未知構造解析

 X線粉末回折パターンからの不規則構造の解析

 新規なセラミックス熱電変換材料の開発

 新規な酸化物蛍光体材料の開発

 セメントクリンカー間隙液相の結晶化機構

 

 

 

新規なセラミックス熱電変換材料の開発

1.1研究背景

熱電変換材料とは熱エネルギーと電気エネルギーを直接変換する材料です。温度差を与えれば起電力が発生するので、焼却炉や自動車の廃熱を利用した次世代の発電システムに欠かせないデバイスです。現在実用化されている熱電変換材料としては、Bi-Te系化合物に代表される金属間化合物が広く知られています。しかし、実用化されていると言ってもエネルギー変換効率は10%程度であり、有害元素を含むこと、耐熱性が低いことが課題です。

 

1.2 これまでの成果

さて、このたび本研究室で新規炭化物の合成に成功しました。結晶構造解析の結果、電気伝導層と絶縁層が積み重なった特徴的な構造をとることがわかりました。(図1)

理論的アプローチから、近年このような層状構造はエネルギー変換効率の向上につながるとして有望視されています。また、この組成は有害元素を含まず、熱力学的に安定なので耐熱性も期待できます。
そこで本研究では層状炭化物をベースに、実用化に向けて熱電特性の優れた材料の創製を目標にしています。

 

まず、層状構造をとる今回発見された新規炭化物および類似炭化物を固相反応にて合成した後、それらの焼結体を作製し、真空中での熱電特性を調べました。

図2は出力因子の温度変化です。出力因子は熱起電力(1度の温度差に対する起電力)と電気伝導率から導かれ、値が大きいほど出力が大きく熱電特性が良いということになります。実用レベルには及ばなかったものの、結晶構造と出力因子の間に、ある相関関係がみられました。そこでこの関係をもとに材料設計をし、試行錯誤を重ねた結果、前記炭化物の出力因子を大幅に上回る新たな層状炭化物(図2中の△)の合成に成功しました。

 

 

 

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